ハ音記号 / C clef

ハ音記号とは、五線譜において特定の線の音高を示す記号の一つであり、中央のくぼみが示す線が中央ハ（C4）の音を表す。歴史的には様々な形状が存在したが、現在一般的に用いられるハ音記号は、左右対称に近い独特の形状をしている。
ハ音記号は、その中央の二つの横線に挟まれた線が中央ハ（C）の音となる。そのため、どの線にハ音記号が置かれるかによって、その譜面全体でどの線の音が中央ハになるかが変化する。
代表的なものとしては、ヴィオラなどで用いられる中央ハ音記号（アルト記号）があり、これは五線譜の中央の線が中央ハを示す。また、古楽の譜面などでは、他の線にハ音記号が置かれることもあった。
ハ音記号は、ト音記号やヘ音記号が主に特定の音域を担当するのに対し、中音域の楽器や声域を記述するために用いられる。これにより、加線を多く用いることなく、比較的楽譜が見やすくなるという利点がある。ハ音記号の理解は、中音域の楽器の楽譜を読む上で重要な知識であると言える。